「Q&A」では、皆様のさまざまな疑問にお答えします。

日頃疑問に感じることや、よくある質問をご覧いただけます。

<高血圧について>

Q:病院で測った血圧は高かったのですが、家で測り直したら随分低くなっていました。どちらが正しい血圧なのでしょうか?

A:診察室血圧と家庭血圧の値が違うことはよくあり、家庭血圧が高くないのに診察室血圧が高い方は「白衣高血圧」と呼ばれます。白衣高血圧の害は、よく分かっていませんが、脳卒中と関係するかもしれないという研究結果もあります。逆に家庭血圧が高く診察室血圧が高くないこともあり(仮面高血圧)、この場合は、脳卒中や心筋梗塞などを起こしやすいことが分かっています。こうしたことから、現在の高血圧の治療指針では、合併症のない成人で診察室血圧140/90mmHg、家庭血圧135/85mmHg、24時間自由行動下血圧130/80mmHgという目安を示し、いずれかが高ければ高血圧と診断して治療することが勧められています。
家庭血圧の正しい測定のしかたを医師に指導してもらい、家庭で測った血圧を記録して医師に伝えることで、治療をより良くしていくことができます。

 

Q:動脈硬化が進んでいるかもしれない、といわれました。動脈硬化が進んでいるか、どうすればわかるのでしょうか?

A:血圧、脈波伝播速度(PWV)と足関節上腕血圧比(ABI)の検査、心電図、超音波検査、CT、MRIなどの検査で分かります。
収縮期血圧と拡張期血圧の差が大きいことは、全身の動脈硬化が進んだひとつのサインと考えられています。また、脈波伝播速度(PWV)と足関節上腕血圧比(ABI)の検査も全身の動脈硬化の状態を知るための検査です。心臓や脳のCTやMRI、心臓や首の動脈の超音波検査では、特定の部位の動脈硬化(プラーク)や動脈硬化によって起こる心臓や脳の機能の異常を知ることができます。
心臓や脳の動脈硬化の状態を正確に知るためには、血管に細い管を入れる検査が必要になります。

 

Q:自宅でも血圧を測っています。血圧の薬は、血圧が高い時だけ飲めば良いのでしょうか?

A:1日の血圧の推移を記録する装置を使って調べた結果、血圧は1日中一定の値を保っているわけではなく、むしろ大きく変わることが分かっています。家庭での血圧が正常であっても、根を詰めて仕事をしている時や寒い日に戸外で活動している時などは、知らず知らずのうちに高血圧になっていることが少なくありません。
特に、睡眠中の血圧、特に朝起きる前の血圧が高くなっている場合、脳卒中や心筋梗塞などを起こしやすいことが懸念されます。このように1日のうちで血圧が上下するのを抑える意味でも、医師の指示通りに降圧薬を服用する必要があるのです。

 

Q:飲み忘れた時はどうすれば良いですか?

A:薬の種類とのみ忘れに気づいた時刻により対処方法が異なります。

1日1回服用の場合
6~7時間以内の遅れならば、のみ忘れに気づいた時に1回分を服用して下さい。気づくのがそれ以降になった場合は、その日はもう服用しなくてもかまいません。翌日から忘れないように服用して下さい。
1日2回服用の場合
3~4時間以内の遅れならば、のみ忘れに気づいた時に1回分を服用して下さい。気づくのがそれ以降になった場合は、1回服用するのをやめて次回から忘れないように服用して下さい。
1日3回服用の場合
1~2時間以内の遅れならば、のみ忘れに気づいた時に1回分を服用して下さい。気づくのがそれ以降になった場合は、1回服用するのをやめて次回から忘れないように服用して下さい。
ただし、いずれの場合も、のみ忘れたからといって、けっして2回分をまとめて服用しないで下さい。

 

Q:血圧を下げるために運動をするようにいわれましたが、運動すると脈が速くなり、血圧も上がるように思います。それでも運動は血圧に良いのでしょうか?

A:適度な強さの運動であれば、運動中に血圧が上がる程度はわずかですし、運動を続けることで、ふだんの血圧は下がります。
運動中には、確かに血圧は高く脈は速くなりますが、適度な強さの運動であれば、運動中の血圧の上昇は10mmHgくらいなので、心配する必要はありません。こうした運動を続けると、さまざまなメカニズムを介してふだんの血圧は下がっていくことが分かっています。
大切なのは運動の強さを守ることです。目安として「楽にできる」ないし「ややつらい」と感じるくらいの運動、少し汗ばむくらいで、人と会話しながら続けられるくらいの運動を行いましょう。
運動している時の脈を測って、「1分間の脈の数=138-年齢÷2」くらいになるのが適度な強さです。これより強い運動や、息をとめて一気に力を入れたり、苦しいのを我慢して行ったりする運動をすると、運動中の血圧が高くなりすぎて危険ですから、高血圧の人は、こうした運動は避けなくてはなりません。

 

<一般>

Q:禁煙外来ではどんなことをするのですか?

A:まず申込み後に問診に回答し、同時に簡易ニコチン依存テストも行い、喫煙パターンを把握します。次に診療の場で医師によるメディカルチェックと本人の意志確認を行って指導方針を決め、使用方法や副作用などの服薬指導をして禁煙を開始します。現在ほとんど内服薬での治療します。
 

Q:風疹は、麻疹(はしか)などにくらべるとあまり重い病気ではないと聞きましたが、なぜ予防接種が必要なのですか?

A:風しんは小児の場合通常あまり重くない病気ですが、妊婦、特に妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児が風しんウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神運動発達遅滞などをもった、いわゆる先天性風しん症候群の児がうまれる可能性があります。また、風しんにかかるとまれに脳炎、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などの軽視できない合併症をおこすことがあります。
大人が感染した場合は発熱や発しんの期間が小児に比べて長く、関節痛がひどいことがあり、一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。
風しんの予防接種を行う主な目的の一つは、妊婦が風しんにかかることによって生まれてくる赤ちゃんが先天性風しん症候群の障がいをもつことのないように、またそのような心配をしながら妊娠を続けることのないように、あらかじめ予防することです。
予防接種は、風しんの自然感染による合併症の予防にもなり、大人が感染して重症になることも予防します。さらに、多くの人が予防接種をうけると、個人が風しんから守られるだけでなく、ほかの人に風しんをうつすことが少なくなり、社会全体が風しんから守られることになります。

 

<糖尿病について>

Q:バネ指のような症状が出ます。私は糖尿病なのですが、糖尿病と関係があるのでしょうか。

A:バネ指にはさまざまな原因がありますが、糖尿病に併発することもあります。
バネ指(手指屈筋腱狭窄性腱鞘炎:しゅしくっきんけんきょうさくせいけんしょうえん)とは、指の曲げ伸ばしを行う部分に起こる腱鞘炎です。指を曲げたり伸ばしたりする時に、抵抗や痛みを感じたりします。多くは指の使い過ぎが原因で起こると考えられていますが、糖尿病に併発して起こることもあります。とくに、糖尿病の罹病期間が長く、血糖コントロールの悪い方に起こりやすいです。
バネ指はステロイド注射で治療するのが一般的です。しかし、ステロイド注射により血糖値が高くなることがあるので、糖尿病の患者さんでバネ指のような症状がある時には、まずは糖尿病の主治医に相談するようにしましょう。

 

Q:のどが渇いて仕方ありません。のどが渇くのは糖尿病の症状のひとつであると聞きましたが、何か対処法はないでしょうか。

A:のどの渇きがひどい時には、我慢せずに水分をとりましょう。その時、スポーツドリンクなどの糖分の入った飲み物は避けてください。血糖値をきちんとコントロールすれば、のどの渇きは軽くなるはずです。
のどの渇きは糖尿病の代表的な症状ですが、血糖値が良好に保たれるようになれば、のどの渇きなどの症状はおさまります。治療を行っているにも関わらず症状が続いている場合は、きちんと血糖コントロールができていない可能性がありますので、医師に相談してみてください。また、別の病気(尿崩症)でのどが渇くこともありますし、口腔の乾燥をのどの渇きとまちがえることもあります。まずは医師に症状を伝え、血糖測定をしましょう。

 

Q:糖尿病と診断されましたが、症状をまったく感じません。それでも毎月病院に通わないといけないのですか?

A:糖尿病の初期の患者さんは症状を感じることはほとんどありませんが、定期的に受診を続けることがとても大切です。とくに症状を感じないからといって、そのまま治療せずにいると、糖尿病の合併症は確実に進行していき、命にかかわる病気の発病につながることもあります。また、たとえ食事療法や運動療法で血糖コントロールができている患者さんでも、体調や体重の変化によって、血糖コントロールがうまくいかなくなる可能性が常にあります。血糖値をコントロールするためには、定期的に受診し、医師の指示による治療を続けることがとても大切なのです。

<腎臓病について>

Q:慢性腎臓病発症リスクが高いのはどのような人でしょうか?

A:メタボリックシンドローム(肥満、高血圧、糖尿病、高脂質症)や、ご家族に慢性腎臓病(CKD)の患者さんがおられる人は比較的リスクが高いといえます。「最近メタボ気味かも…」という人も注意しましょう。

Q:慢性腎臓病は治療でよくなるのでしょうか?

A:悪くなってしまった腎臓を回復させるのは困難ですが、生活習慣の改善と薬物治療を継続することにより、病気の進行を抑えることができます。そのためには早期発見、早期治療が重要です。

<泌尿器科について>

Q:泌尿器科に受診するのが恥ずかしいのですが?

A:病気によって、検査内容は異なりますが、問診と尿検査が基本です。
いきなり下半身の診察を行なったり、膀胱内視鏡検査を行なうことはありません。検査もなるべく苦痛の少ない、超音波検査などから進めていきます。
男性の前立腺疾患では、血液検査で腫瘍マーカー(PSA)を調べることで、早期の癌を見つけることができますし、病状の把握も、問診や排尿の勢いを調べる、尿流量測定という簡単な検査で可能です。こわがらずに泌尿器科を受診してください。

 

Q:最近、急に尿がもれそうになったり、咳や大笑いで少しもれることがありますが?

A:出産後の女性に多く、骨盤底筋力の低下により生じることの多い病態です。
尿検査、超音波検査で残尿(おしっこをした後に膀胱に尿が残ること。)を調べた後、骨盤底筋体操の指導や内服薬の使用で治療を行ないます。最近では、有効な治療薬もありますので、まず泌尿器科を受診することをお勧めします。

 

Q:おしっこに血が混ざります。受診したほうがいいですか?

A:このような血尿のあるときは、尿路の悪性腫瘍(膀胱癌、腎盂癌など)がある場合が多いので、ぜひ泌尿器科専門医を受診ください。悪性腫瘍以外にも尿路の結石や 無痛性の膀胱炎などが潜んでいる場合もあります。

<高脂血症について>

Q:コレステロールをたくさん含む食品(卵や牛乳)をとらないようにすれば、脂質異常症は治りますか?

A:コレステロールをたくさん含む食品を減らすことは、食事療法の大切なひとつの方法ですが、それだけで脂質異常症を治すことは困難です。
LDLコレステロールが高い患者さんには、摂取エネルギー(カロリー)を適切にすること、飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らして不飽和脂肪酸(植物性脂肪)を増やすこととともに、コレステロールの量を1日200mg以下に抑えることが勧められます。ただ、脂質異常症には食事からのコレステロールのとり過ぎだけでなく、遺伝によって受け継いだ脂質異常症になりやすい体質や、運動不足、肥満なども関係しているため、食事だけに注意しても、脂質異常症を治すことは難しい場合があります。医師の指導に従い、適正な摂取エネルギーの範囲内で、栄養バランスのとれた食事をとるようにしながら、運動療法や、必要に応じて薬による治療も行うことが大切です。

 

Q:脂質異常症の薬を1日1回夕食後に飲むように主治医に言われています。飲み忘れた時は、翌朝に服用しても問題ないでしょうか?

A:薬を飲み忘れた時の対処方法は、事前に主治医に確認しておきましょう。2回分の量をまとめて服用してはいけません。
1日1回夕食後に飲む脂質異常症の薬には、HMG-CoA(エイチエムジーコーエー)還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)というタイプの薬があります。これは、夜間、体内でコレステロールがさかんに作られるため、それを妨げることを目的として夕食後服用が勧められる場合があります。実際に夕食後に服用した場合と、翌朝に服用した場合で、効果に差が出るものと出ないものとがありますので、夕食後に飲み忘れることが多いのであれば、まずはその旨を主治医に相談し、その場合の対処方法を確認しておきましょう。